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Glacier in Alaska: Abrogation

タイトル:Glacier in Alaska: Abrogation
制作年:2019
サイズ:810mm × 600mm (P25)
画材:油彩・キャンバス

解説:
幾千年もの長い時をかけて、二つのとてつもない力——火と氷——が、私たちの暮らすこの惑星を彫り上げてきた。火は火山として、氷は氷河として。ゆっくりと、しかし容赦なく海へ削り進む氷河は、途上で岩の破片を包みこみ、自らの記憶を刻む。裂け目のひとつひとつ、移ろう形のひとつひとつが、過ぎ去ったものの物語を語る。「世界を美しく、心躍る、神秘的なものとして見るなら——私はそう見ていると思う——生きていると強く感じられる」(デイヴィッド・ホックニー)。二週間のアラスカ航海で、私は荒々しい地形と、海や山、とりわけ雄大な氷河が表す自然の圧倒的な規模と静かな力に心を動かされた。陸から、海から、そして空から眺め、6枚の連作に描きとめた——これはそのうちの一枚である。こうした光景を心に刻むほどに、その多感覚的な強度の前で人が抱く感情のすべてを本当に捉えることの難しさを思う。私はホクサイの風景画にも通じる、形の単純化と赤・白・青という抑えた大胆な色調によって、氷河の中心的な存在感とその途方もなさを際立たせようとした。前進しながら崩れ落ちる氷河の絶え間ない轟きは、同時に地球温暖化のなかでのその静かな後退をも告げている(作中に添えた詩「Glaciers are Weeping」作者不詳・2017年より)。

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